遺伝子導入されたThy1-GFPを持つ透明化されたラットの全脳ライトシート顕微鏡イメージング

Light-sheet microscopy imaging of a whole cleared rat brain with Thy1-GFP transgene

Marzena Stefaniuk, Emilio J. Gualda, Monika Pawlowska, Diana Legutko, Paweł Matryba, Paulina Koza, Witold Konopka, Dorota Owczarek, Marcin Wawrzyniak, Pablo Loza-Alvarez, Leszek Kaczmarek

 近年、ライトシート蛍光顕微鏡(LSFM)と光学的にクリアされた組織を用いた全脳イメージングが、新たな急速に発展している研究分野である。これまでマウス脳のクリアリングとイメージングは成功していたが、ラット脳に対して同様の成果を得ることは困難であった。

 しかし、ラット脳の全体像を高解像度で捉えることには困難が伴う。特に成熟した成人ラット脳は、より高い髄化度を持つため、クリアリングプロセスの適用が難しい。既存の透明化技術では、大規模な透明化を実現することができず、蛍光タンパク質の蛍光も保持できなかった。

 そこで、新しい透明化プロトコル「FluoClearBABB」を提案し、これを用いたラット脳のイメージング実験を行った。この方法は、テルトブタノールでの段階的脱水に基づき、非常にシンプルで低コストであり、GFP蛍光の保持と組織の十分な透明化が可能であることが示された。FluoClearBABBを用いた結果、特に成人ラット脳の全脳クリアリングにおいて、他の方法よりも優れた結果を得ることができた。

使用されたCoboltレーザー:488nm, 200mWレーザー

             473nm, 50mWレーザー