CWレーザー
CoboltのHTCureテクノロジー
レーザー発振器の製造は光学素子の極めて精密な位置合わせが必要なため、それらを堅牢に固定化する技術が重要となりますが、光学素子の接着において広く用いられている紫外線硬化樹脂は、アウトガスが問題になることがあります。しかしながら、Cobolt独自の製造技術であるHTCure TMは、光学素子と基板の熱膨張係数の最適化をすることで、高温で接着する熱硬化樹脂の使用を可能にしました。これにより光学素子をより強固に接着し、アウトガスを生じないため、優れた耐環境性能と長寿命を実現します。さらに、ある種のガスを共振器内部に完全密閉することで光学素子の劣化を防ぐことも長寿命化に寄与し、業界最高峰の保証期間をもたらします。
世界でも製造できるメーカーが限られる連続発振355nmレーザーは安定して発振させることが極めて困難ですが(グリーンプロブレムと言われる)、Coboltはこれらの製造技術を用いて高い信頼性の355nm CWレーザーの製造が可能です。これはCoboltの製造技術の高さを示す良い例と言えます。
レーザー発振器の優れた特徴
固体・半導体レーザーを合わせて30種類以上もの波長ラインナップがあり、主に下記のような特徴を持っております。
・強励起が必要な波長でも優れた共振器構造により、単一縦モードで高出力な発振をすることができます。(固体レーザー)
・優れたビーム成形技術により、良好なビームプロファイルと高いビーム品質を確保しております。
・常に共振器の温度制御を行うことで、高い出力安定性で発振させることができます。
・いくつかの半導体レーザーはVBG(ボリュームブラッググレーティング)を用いた外部共振器構造により、狭帯域なスペクトル幅を得ることができます。
品質
上記のHTCure製造技術により、長寿命で高品質なレーザー発振器の製造を可能にしただけではなく、過酷な熱衝撃サイクル試験や、60g, 8msの衝撃テストなどの耐環境性能もクリアしており、保証期間は最大で業界最高峰の24ヶ月を実現しております。また、ISO9001も取得しております。

Coboltの固体CWレーザーは下記のようなレーザーヘッドの大きさごとにシリーズが分かれております。
・04シリーズ:手のひらサイズの大きさで、Coboltのシリーズの中で最も標準的なシリーズ
・05シリーズ:04よりも筐体がやや大きく、最大3000mWまでの出力
・06シリーズ:固体・半導体レーザーを含む最も小型なタイプで、固体レーザーでは532nm, 553, 561, 594nmのラインナップがあり、50kHzまでのアナログ・デジタル変調が可能です。
・08シリーズ:06よりも筐体がやや大きく、最大400mWまでの出力
・Qu-Tシリーズ:<100kHzの線幅をもち4nmの範囲で波長可変できるレーザー冷却などのアプリケーションに適したレーザーです。大きさは05シリーズと同一です。
波長別では下記になります。
波長 | 出力 |
320nm | 20mW |
349nm | 50mW |
355nm | 10, 20mW |
457nm | 25, 50, 100, 200, 300mW |
473nm | 25, 50, 100, 200, 300mW |
491nm | 50, 75, 200mW |
515nm | 25, 50, 100, 200, 300mW |
532nm | 25, 50, 100, 150, 200, 300, 400, 500, 1000, 1500mW |
561nm | 25, 50, 75, 100, 150, 200, 300, 500, 750, 1000mW |
594nm | 50, 100mW |
640nm | 300, 500, 1000mW |
660nm | 100, 300, 500mW |
707nm | 500mW |
780nm | 500mW |
785nm | 500mW |
813nm | 500mW |